建築家の椅子

私は椅子が好きです。

 

良い椅子というのは、部屋とか空間に存在しているだけで、人の居場所とか、会話とか、休息とか、その空間の在り方を象徴するような存在となり得ます。そういう意味で、建築と椅子というのは切り離せない関係にあります。

 

ちなみに、我が家も、リビングのソファだけは奮発して少し良い椅子を置いています。良い椅子は、本当に生活の中心になります。(※我が家ではその椅子に「〜君」というあだなまで付いています。ちょっと恥ずかしくて書けませんが・・)

 

ところで、世界で高く評価されている椅子のなかには、建築家がデザインした椅子が沢山あるのです。今回は、有名な椅子をデザインしている建築家を私、キュッピーの独断で紹介します。

 

オットー・ワーグナー

 

19世紀から20世紀にかけて活躍したオーストリアの建築家です。よく、「世紀末ウィーン」と呼ばれる激動の時代に生きた人です。

 

なかでも有名な作品がウィーンにある「郵便貯金局」です。私も海外旅行で訪れたことがあり、大好きな建物のひとつです。この建物の一番の特徴は、内部のホールに降り注ぐ柔らかい光です。明るい空間というのは、近代建築のテーマのひとつなのです。

 

ワーグナーが設計した椅子としては、「アームチェアー」のシリーズが有名です。特に、上記の郵便貯金局のために設計されたアームチェアーは装飾を抑えたシンプルなデザインで、機能性を重視する近代建築を象徴するような椅子です。

 

フランク・ロイド・ライト

 

主に20世紀初頭に活躍した建築界の巨匠です。日本にある有名な建物としては「旧帝国ホテル」です。残念ながら、もう建て替えられてしまっていますが、一部分だけは愛知県の明治村というところに移築されて、見学することができます。

 

ライトの建築で私が好きなのは、ニューヨークにある「グッケンハイム美術館」です。建物全体がらせん状になっていて、階段で階を上るのではなく、徐々にらせんを上るようにして絵画を鑑賞するのです。床が斜めであることについて、賛否があるようですが、なにより建築のもつ力強さに圧倒される建物なのです。

 

ライトの設計した椅子は、ライトの建築様式を色濃く表しています。垂直方向と水平方向の軸線が力強く表現されていて、高さを抑えた独特のデザインを見ると、私はなんだか自分の心までまっすぐになるような気がするのです。

 

アルヴァー・アールト

 

20世紀に活躍したフィンランドの建築家です。コルビュジェなど並んで、近代建築の礎を築きあげた建築家のひとりです。

 

アールトの建築の特徴は、その暖かみにあると思います。なかでも私が憧れている建物は、「アールトの自邸」です。

 

一度行ってみたいと思っているのですが、まだ行けてません^^;写真集などで、溜息をつきながら見ています。自然を上手に取り入れつつ、人間が心穏やかに過ごすための考えつくされたスケール感の家なのです。

 

アールトの家具や工芸品は、いわゆる最近日本でも流行っている北欧デザインの原型とも言えるものです。実際、北欧の食器で有名なメーカー「イッタラ」にもアールトがデザインした食器があります。

 

アールトの椅子は、木を使いながら曲線を表現した特徴的なデザインです。見るだけでも気持ちが暖かくなるのです。

 

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