マンションを火事から守る防災設備

防災設備って?

 

防災設備っていうと何となく聞いたことがあると思いますが、
その種類と役割を正確に知っている人って少ない気がします。
実は防災設備と一言に言っても、消防法で義務付けられた設備と、
建築基準法で義務付けられた設備があるのですが、
マンションに住む上ではその区別を意識する必要はありません。
消防設備の役割は大きく3つあります。
ひとつは逃げる為の設備です。
住民に火事を知らせて早期にマンションから脱出してもらうための設備です。
もうひとつは、消火するための設備です。
消火設備には、住民が自ら操作するものと、自動的に作動するものがあります。
最後は、消防隊が消火するための設備です。
駆けつけた消防管が消火・救助活動する際に用いるためのものです。

 

自動火災報知設備

 

天井についている、いわゆる「感知器」です。
感知器には煙感知器と熱感知器の2種類がありまして、
それぞれ、煙・熱を検知すると警報を発する仕組みになっています。
また、通常は防災センターか管理人室に、受信機と言われる装置があって、
その装置に、どこの感知器が作動したかが表示されます。
また、鳴ってしまった警報を止めるのも受信機で行います。

 

非常警報設備・非常放送設備

 

上記の自動火災報知設備が作動した際に、その事を
住民に周知するための設備です。
警報はどのように鳴るかというと、建物に「非常放送設備」が
設置されている場合には、音声で「感知器が作動しました」とか
「火事です」とかいうセリフが放送されます。
「非常放送設備」が設置されていないマンションでは、
非常警報ベルが「ジリリリ・・・」と鳴ることになります。
また、非常放送設備は防災センターや管理人室からマイクで
放送することも出来ますので、管理人さんが避難誘導する為に
用いることも可能です。

 

避難器具

 

マンションの場合、バルコニーに取り付けられている
避難はしごが一般的です。
ハッチを開くとはしごが下りて、下の階のバルコニーに
移動することができるようになります。
マンションに入居すると、取り扱い説明として、
避難はしごの上下に物を置いてはいけないと教えてもらうと
思いますが、これはとても大事です。
いざ火事という時に、逃げる為に必要な器具なのです。

 

非常照明・誘導灯

 

避難する際に頼りになる明かりです。
非常照明は、火事によって建物が停電してしまった際に、
30分間バッテリーで点灯します。
逃げる為に最低限の明るさを確保するための設備です。
誘導灯は、逃げる方向を指し示す為の設備です。
緑色の板に、人が逃げるポーズのイラストが描かれています。
誘導灯の案内に従えば、屋外まで逃げることができます。

 

スプリンクラー設備

 

天井についているポッチのような設備です。
どのようなものかは多くの人が知っていると思います。
スプリンクラーは全てのマンションに設置されている
訳ではありません。
規模と階数によって設置の義務が発生するのです。
スプリンクラーは火事の際に自動的に水を噴出しますので、
住民が操作する必要のない、安全性の高い消火設備です。

 

屋内消火栓設備

 

壁に埋め込まれている赤い扉のような設備です。
上のほうにランプが付いていて、暗くても設置場所が分かります。
この赤い蓋を開けるとホースが入っています。
ホースの根元にバルブがありますので、バルブをひねると
大元の消火ポンプが起動して水が出るようになります。
後は、ホースを構えてノズルを操作します。
屋内消火栓は、基本的に住民自らが、火事が広がらない内に
消火するための設備です。(初期消火といいます。)
しかし、日頃から訓練していないと、火事のパニック状態の中で
とても使おうという気にならないのも事実です。
安全意識の高いマンションでは、定期的に訓練が行われて
使い方を教えてくれる場合もあります。

 

非常用エレベーター

 

これは火災時に消防隊が消火活動をするためのエレベーターです。
住民が逃げる為のエレベーターではないので、注意が必要です。
住民は、火事の際にはエレベーターを使わずに歩いて逃げるように
計画されています。
大勢の人が逃げますので、基本的に狭い所に向かって人が
集中しないように、防災計画がなされています。

 

消火器

 

消火器は各家庭や共用部の所定の箇所に設置されています。
留め金をはずして、構えてトリガーを押すだけです。
ボヤ程度であれば消火器で消すことができますので、
お住まいのマンションのどこに置かれているか、
把握しておくことをお勧めします。

 

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