RCとSRCの違い

RC・SRCってなに?

 

マンションのパンフレットや物件情報を見ると、よく『構造形式:RC』『構造形式:SRC』というふうに書いてありますよね。
今回はその意味と共通点や違いについて書きます。

 

RC:鉄筋コンクリート造

コンクリート製の柱や梁の内部に、鉄筋と呼ばれる直径1〜2p程度の鉄の棒が組み込まれている構造形式です。
鉄筋には、主筋・あばら筋などと呼ばれる種類があり、コンクリートの内部で骨組みを形成するように、しっかりと組み上げられています。

 

SRC:鉄骨鉄筋コンクリート造

鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄筋コンクリート造の柱や梁の内部にH鋼と呼ばれる鉄の芯が組み込まれた構造形式です。
鉄の芯を囲うように鉄筋を組み上げ、そこにコンクリートを流し込んで構造体を作ります。

 

RCとSRCの共通点

 

頑丈で耐久性が高いことです。
鉄とコンクリートというのは、非常に相性のよい組み合わせなのです。
なぜかというと、それぞれの材料の弱点をお互い補い合うことが出来るからです。

 

まず、コンクリートは、圧縮される力にはとても強いのですが、引っ張られるとヒビが入ってしまうことがあります。
そこで、コンクリートに鉄を組み込むことによって、柱や梁が引っ張られても鉄筋や鉄骨の力でこらえてくれるのです。

 

逆に、鉄は両端から圧縮されると、グニャリと曲がってしまいやすい材料です。
でもコンクリートが圧縮力に対して踏ん張ってくれるから大丈夫なのです。

 

また、鉄は熱によって弱くなる性質があります。
しかしコンクリートで包むことによって熱から守られます。
まさに名コンビと言ってよいでしょう。

 

もうひとつ、鉄とコンクリートの相性が良い理由があります。
少々マニアックな話になりますので、トリビアとして読み流して下さい^^;

 

ほとんどの材料は熱膨張という性質があります。
温度が高くなると体積が大きくなり、温度が下がると体積が小さくなる、という性質です。

 

実は、建築においてはこの熱膨張が結構やっかいです。
夏と冬、昼と夜で材料が伸びたり縮んだりしますので、きちんと考慮しないとゆがんだりずれたりします。

 

この熱膨張の割合(1℃あたりどれくらい体積が増えるか)が、鉄とコンクリートでは、なんとほとんど同じ数値なのです。
つまり、温度変化に対して、仲よく同じ割合で伸びたり縮んだりします。
ですので、組み合わせて使っても温度変化で問題が起きないのです。

 

RCとSRCの違い

 

まず気になるのは、安全性に差があるの?という事だと思います。
結論から書きますと、安全性に差があるわけではありません。

 

なぜかというと、構造形式が同じであろうと、異なろうと、選択した構造形式に応じて、一定の安全性を確保するように計算して設計をしますので、形式の違いと、安全性(構造グレード)とは、評価軸が別なのです。

 

では、SRCの特徴はどのような点でしょうか。

 

まず、SRCの長所としては、同じ強度の柱(梁)でも、より細いサイズで作ることができる、ということです。
従って、平面プランの自由度が上がります。

 

また次のように言い換えることが出来ます。
同じサイズの柱(梁)であれば、より長いスパンを支えることができます。
従って、ロビーやホールなどの大空間を作るのに適しています。

 

そのメリットがある分、SRCのほうが割高になります。

 

つまり、建築的に作りたい空間によって適した構造形式を選んで採用するということなのです。

 

マンション売却体験記へ戻る